
26卒の採用活動は優秀層の早期囲い込みがますます加速しました。
現在は、3年生の夏前からインターンシップ・オープンカンパニー・スカウトなどが本格化し、母集団形成に苦戦する企業、内定辞退や早期離職に悩まされる企業が増えてきているのも事実です。
企業側がどれだけ早く動いても、学生が動かなければ接点は生まれません。また、仮に接点を持てたとしても、動機形成ができなければ応募や入社にはつながらない。そのような環境下で27卒を迎える今、私たちは改めて「採用活動の“守り”」の重要性が問われる年になると考えています。
注目すべきは、インターンシップやオープンカンパニーの位置づけです。企業が主導する早期接点の場が当たり前になった一方で、学生から見れば「どの会社も似たようなことをやっている?」という印象を与えがちです。
そこでフォーカスされるのは、「体験の質」ではないでしょうか?
学生自身が将来像を描けるような仕事理解や、社員との本音の対話、自分の強みを再認識できるような支援を行う。こうしたコンテンツが学生の志望動機形成に大きな影響を与えると考えます。
27卒では、単なる説明会や就業体験の枠を超えた“意味ある接点”が、選ばれる企業かどうかを分けるのではないでしょうか。

また、ここ数年の学生の傾向として、「自分が何をしたいのか分からない」「働くイメージが持てない」といった悩みが増えています。自分自身に自信が持てない学生にとっては、面接での会話そのものが「自分を理解する機会」になることも少なくありません。
つまり面接は、企業が学生を選ぶ場であると同時に、学生が企業を選ぶ決め手になる場でもあるのです。過去の経歴や志望動機を問うだけでなく、対話を通じて学生の関心や価値観を引き出す“仕掛け”が必要です。こうした学生との接点における工夫は、企業に対する信頼や共感につながり、内定承諾や入社後の定着にもきっと良い影響を与えるはずです。
「体験設計」や「対話設計」の重要性が高まる一方で、採用担当者の多くは、日々のオペレーションに追われています。
・ナビサイトの情報更新
・エージェントとのやりとり
・候補者との連絡調整
・選考進捗の管理
・社内調整やレポーティング
こうした業務に追われる中で、採用戦略や改善に手が回らないという声をよく耳にします。せっかく予算や施策があっても、“実行”できなければ意味がありません。

あらためて注目されているのが「RPO(Recruitment Process Outsourcing)」です。採用に関わる業務の一部を外部の専門パートナーに委託することで、企業の負担を軽減し、採用活動の質とスピードを高める支援です。
たとえば、
→ナビサイトの管理・応募者対応
→面接日程の調整や合否連絡
→エージェントとの連絡窓口
→スカウト送信の代行・候補者管理
といった業務を委託することで、担当者はコアな役割(各種フロー設計、経営陣へのレポートなど)に集中できます。
人手不足や多忙な現場にとって、「成果を高めるためのアウトソーシング」という考え方は、今後ますますスタンダードになっていくでしょう。
27卒を迎えるにあたり、採用活動は“攻め”と同時に“守り”の戦略が求められます。
選ばれる企業になるには、体験・対話・接点の質を高めていく必要があり、そのためには「土台の整備」が欠かせません。
採用業務の仕組みを見直し、戦略的な取り組みに集中できる体制をつくること。
それが27卒の採用成功、そして中長期的な採用力向上への第一歩になるのではないでしょうか。
営業時間:平日9:00~18:00
クリエアナブキ 採用コンサルティンググループ
四国、中国、関西、東海の拠点で人材ビジネスの営業に従事。 現職は2023年7月から。改めて”学び”の重要性を日々感じながら営業中。 【主な資格】 国家資格キャリアコンサルタント